カーボンブラックの3大特性
カーボンブラックの3大特性
カーボンブラック電子顕微鏡写真
カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察すると、球状の粒子がいくつか融着して複雑な構造を持っていることがわかります。
球状の粒子の大きさを「粒子径」、粒子のつながりの大きさを「ストラクチャー」と呼びます。
またカーボンブラックの表面には水酸基やカルボキシル基など各種の官能基が存在しており、これらの量や組成を「表面性状」と呼びます。
「粒子径」「ストラクチャー」「表面性状」は、いずれもカーボンブラックを特徴づける非常に基本的な特性であり、3大特性と呼ばれております。
3大特性はカーボンブラックをインキ・塗料・樹脂などに配合した際、黒度や分散性などの実用特性に対して、非常に大きな影響を与えます。
粒子径
球状粒子の直径は、カーボンブラックを樹脂やベヒクルに配合したときの黒度・分散性を大きく左右する、非常に基本的な特性です。
一般的に粒子径が小さいほどカーボンブラックの黒度は高くなります。
しかしながら凝集力が強くなり、分散が難しくなります。
ストラクチャー
ストラクチャーの大きさもまた、粒子径と同様に、カーボンブラックの黒度・分散性を左右します。
一般的にストラクチャーが大きくなると、分散が良好になりますが黒度が低下します。
また、ストラクチャーの大きなカーボンブラックは特にすぐれた導電性能を示します。
表面性状
カーボンブラックの表面には各種の官能基が存在しており、その種類や存在量により、インキや塗料ワニスとの親和性が異なってきます。
酸化処理などで親水基を多く付与したカーボンブラックは、印刷インキのワニスなどに対して親和性が大きく向上するため、分散性にすぐれたカーボンブラックになります。